「カジノ解禁推進法案」の廃案を求める決議

自民党などは、本年3月にカジノ法案を国会に再提出しました。
当会は、1983(昭和58) 年10月12日に発足し、これまで30年以上にわたり多重債務など生活に困窮した皆様の生活の立ち直りに向けて活動して来ました。
現在では、多くの弁護士等の協力を得て、不況で、多重債務に陥ったり、雇用先を解雇されたりとの厳しい生活状況の中にある多くの市民の積極的に生活相談等を行っています。
ところで、当会でのこの1年間(2014年3月~2015年2月現在)の相談者数は、264人で、そのうちギャンブルが原因による数は87人になっています。 そのなかで、確認出来る相談者のうち、25人が過去に自己破産や任意整理を経験しており、その殆どの家族等が本人のために一定の返済をして来られています。
また、依存症を改善するために入院予定者が11人、自助グループへの参加予定者が21人おられ、ギャンブル依存は、日常生活に大きな影響を与えるばかりか、 精神的に追い詰められると自死念慮にとらわれることや、さらには犯罪等に手を染めるなど、当事者本人はもちろん家族全体の疲弊や離別を招いた相談者も少なくはありません。
10年ほど前までは、ギャンブルによる借金は、借入の原因の一部でしかありませんでしたが、当会の調査にも明らかなように、この5年ほど前から急激にギャンブルによって負債を抱える数が急増しています。
厚生労働省の統計では、ギャンブル依存者が500万人とも言われており、ここ数年で当会におこしになる相談者が急増していることが裏付けられます。
当会に相談をされる方の多くは、病院の加療や当事者グループの集まりに参加し継続して助言やカウンセリング、薬物療法を得ながら回復治療に励むと共に、 日々の生活では、パチンコ店の前を通らないことや賭け事を想起するメディアや情報から遠ざける努力を続けていくことが必要となります。
このように、ギャンブルをやめ続ける努力はとてもつらい道のりであると共に一人でも多くの仲間がいなければ、もとの状態に戻ることもあります。 以上から、当会では、ギャンブル依存の実態を軽視し、経済効果のためだけに法案が提出されることに大きな憤りを感じています。
我が国のどこにもカジノ賭博場を設置するべきではなく、また、ギャンブル依存の弊害への具体的対策を明らかにしない本法案には、反対します。

よって、本法案は、速やかに廃案とされるべきであります。

最後に、当会では、これまで以上に、行政機関や医療機関等と連携を密に行い、当事者本人、家族等の支援を強化していくとともに、ギャンブル依存の問題を社会的に明らかにし、 その予防と対策の普及啓発に努めて参ります。

平成27年5月22日 福岡クレジット・サラ金被害をなくす会(ひこばえの会)2014年度総会において承認