携帯電話買取詐欺被害に関するKDDIへの申入れ

当会では、ヤミ金被害者より、ヤミ金業者から、融資の代わりに携帯電話を買い取るからとauショップにて携帯電話を何台も購入、契約させられたとの相談を受けました。
ヤミ金業者は、犯罪ツールとなる携帯電話を手に入れるため、被害者にこれを購入させ、「違法な金利での融資」もしくは携帯電話だけを取り上げて結局融資しない、いわゆる「融資詐欺」を行っているのです。そして、その携帯電話は、次の犯罪行為に利用され、新しい被害者を生み出しています。
このような犯罪被害が多発する現状に鑑み、当会は携帯電話会社であるKDDI株式会社に対し、次のような申入れを2016年3月18日行いました。
この申入れに対し、KDDI株式会社より、2016年3月25日ご回答をいただき、被害について誠に遺憾であること、そしてauショップにおいてさらなる注意喚起の徹底を図り、携帯電話の不正取得が行われないよう取り組んでいただけるとのことでした。

 

KDDI株式会社 様

当会は、1983年10月12日、福岡市において設立され、クレジット・サラ金被害に遭った市民の相談を受け、再びクレジット・サラ金からの借り入れをすることがないようアドバイスするとともに学習会等を開催してきました。また、多重債務問題の抜本的解決のため、福岡県多重債務問題対策本部への構成団体としての参加や、福岡県経営金融課、福岡財務支局、福岡県警察本部への申し入れを行うとともに、弁護士・司法書士による福岡クレジット・サラ金・ヤミ金被害対策協議会と連携を取り、ヤミ金融の一斉告発や110番、無料法律相談会の開催を行ってきました。
さて、近時、無登録の貸金業者や090金融といった違法なヤミ金業者が、借り入れを申し込んだ者に、何台もの携帯電話、やスマートフォン、タブレット(以下、「携帯電話等」といいます。)を購入、契約させ、その携帯電話等をヤミ金もしくは、その関連会社に送付させることを貸し付けの条件としている、もしくは、携帯電話等の買取を仮装した貸付を行っているとの情報を当会相談者からの事情聴取によって確認しています。さらに、ヤミ金業者が、被害者に対し、何台もの携帯電話等の購入、契約をさせるために出向かせる指定先の販売店が貴社auショップであることが多いとの情報も当会相談者からの事情聴取によって確認しています。
つきましては、ヤミ金被害者の救済活動を日々行っている当会として、このように携帯電話等がヤミ金の貸付に利用されている状況を看過することはできませんので、貴社に対し、次のとおり申し入れます。

申し入れの趣旨
1.ヤミ金被害者が、ヤミ金業者の指示により、通常必要とされる量を超える複数台の携帯電話等を機種分割支払いで購入し、通話・通信の利用を申し込み又は契約をしてしまった場合、ヤミ金被害の状況に鑑み、損害賠償又は違約金の支払を請求することなく、申し込みの撤回又は契約の解除を認めてください。
2.貴社auショップにおいて、個人が複数台の携帯電話等を購入、契約する場合に、その購入者の年齢や職業などに照らして、不適切な購入、契約については、購入者に事前にヤミ金被害や詐欺被害に遭っていないか十分確認をし、被害に遭っていると思われる場合には販売しないよう、auショップ及び従業員等に周知徹底してください。

ヤミ金業者や詐欺集団が、その犯罪行為を行うツールとして携帯電話を利用していることは警察をはじめ様々な機関が指摘をしています。そして、特に、当会で受けた同種の相談は、ヤミ金業者から貴社auショップを指定され、何台も購入、契約させられたものでしたので、貴社auショップでは、個人が複数台の携帯電話等を購入、契約する場合に、その購入者の年齢や職業などに照らして、不適切な購入、契約については販売しないということが、周知徹底がなされていないものと考えられ、このような行為を看過することは、ヤミ金の犯罪行為を助長するものと言えます。
また、ヤミ金被害者は、ヤミ金業者の指示により、通常必要とされる量を超える携帯電話等を購入してしまった場合には、携帯電話機種代金、通信利用料の他、違約金を請求されるなどして、契約の解除ができない場合には、それらの債務を全てヤミ金被害者が負担せざるを得ないこととなり、さらには、他の銀行等からの借入金の支払いと合わせて支払うことができなくなり、弁護士、司法書士に依頼し、自己破産の申し立てを行わざるを得ない事例があるとも聞き及んでおります。そして、割賦販売法第35条の3の12では、訪問販売等において、通常必要とされる分量を著しく超える商品の販売契約等に係る個別信用購入あつせん関係受領契約の申込み又は契約をしてしまった場合に、その申し込みの撤回や解除を認めることを規定しています。
これらのことに鑑み、当会としては、ヤミ金被害者が、ヤミ金業者の指示により、通常必要とされる量を超える複数台の携帯電話等を機種分割支払いで購入し、通話・通信の利用を申し込み又は契約をしてしまった場合、ヤミ金被害の状況に鑑み、損害賠償又は違約金の支払を請求することなく、申し込みの撤回又は契約の解除を認める必要があると考え、また、ヤミ金からの指示によって、不適切な購入、契約させられる被害に遭うことを予防する観点から、ヤミ金等の被害に遭っていると思われる場合には販売しないよう、auショップ及び従業員等に周知徹底することを求め、申し入れの趣旨記載のとおり申し入れる次第です。

One thought on “携帯電話買取詐欺被害に関するKDDIへの申入れ

  1. 去年の7月位に詐欺にあいました。auショップでスマホ2台とiパッド2台で約400000円です。ショップの人も疑う事なくスムーズでした。まあ変なヤミ金に借りようとした自分もバカですが400000円は流石にツラいです。今はお金だけKDDIさんに払っています。何とか少しでもお金を取り戻したいです。

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